慢性腰痛に対して
「どの組織が疼痛の原因なのか?」といった評価法など
腰痛を細分化したとしても痛みは単なる
身体的な感覚だけではないので、根本的な原因を探し出すことは極めて困難です。
腰痛の"約80%"は非特異的腰痛と呼び、
明確な原因が特定できないものとされています。
また研究にて、非特異的腰痛の予後不良因子は
恐怖回避思考であることが示唆されており、
これは前述の通り非特異的腰痛の大部分は病理解剖学的障害が見つからないものであり、
多面的な視点を持ったアプローチが必要となる事が示唆され、
その中でも近年重要視されている要素の1つが
心理社会的要因です。
具体的な例では
腰を曲げたら腰を痛めた
↓
腰を曲げたら痛いだろう
(運動と痛みの恐怖条件付け)
↓
姿勢が悪いと腰が痛い?
(SNSなどで誤った信念が生まれる)
↓
破局的思考が生まれる
(将来の痛みに起因する障害の過大評価)
↓
不活動となり、更なる痛みを惹起
といった具合です。
要するに
慢性痛がなぜ持続するのか?といった原因を探るのは
生物学的メカニズムの知見のみでは、限界があり、
紹介した心理社会的モデルや
モデルの中で扱われている要因に基づいて慢性痛を理解し、
その理解に基づいた治療を行うことが、
慢性的な腰痛改善になります。
ご参考になれば幸いです。