現代人は交感神経優位から抜け出せない人が多く、
慢性的な緊張状態にあるといえます。
慢性的な緊張=努力性呼吸となり、
呼吸補助筋と呼ばれる筋肉を過剰に収縮させ、
肋骨を上方に引き上げることによって吸気を行うため、
通常よりも多大なエネルギーが必要となります。
この肋骨を上方に引き上げる際に使われるのが、
斜角筋、胸鎖乳突筋、広背筋、脊柱起立筋群などです。
つまり体を反らすことで吸気を行います。
この際、
腰、背中、首に影響を強く及ぼし、背骨に動きがなくなることで
歩行時に衝撃をうまく吸収することができなくなります。
このような過程を経て、
衝撃の少ない歩行として、
歩幅を小さく、腕を振らず、すり足のような歩行を選択するわけです。
つまり
「かかと接地を意識しましょう」
「腕を振ってお尻を意識しましょう」
「大股で歩きましょう」
といった修正では改善は困難であり
むしろ衝撃ストレス増加するだけで不調を助長することになります。
歩行を安全で効率的なものに修正するためには、
最初の原始動作である
呼吸機能の改善によって、
体の緊張を抑制し、
リラックスした状態で重心制御能力を獲得することが重要であるということです。
ご参考になれば幸いです。